以前、ノイエで演奏した歌に「ゆめみよう ひとをしびれさすうたのこと」という一節がありました。
私にも、耳にした途端、心を鷲掴みにされるような「うた」との印象的な出会いが何度かあります。
初めてそんな体験をしたのは小学生の頃。当時デビューから間もなかった安全地帯の玉置浩二が歌う、「ワインレッドの心」を聞いた時でした。まるで雷に撃たれたよう。テレビの前に釘付けになり、微動だにできず、立ち尽くしていました。訳が分からなかったけれど、子供心に「この人の歌はなんかすごい!」ということだけは分かりました。その時の心がふるえるような感覚はとても鮮烈で、今でもはっきり記憶に残っています。まさに、うたにしびれさせられたのだと思います。
それからも、心ふるえる曲との幸せな出会いを重ねてきましたが、その中の一曲が今年のコンサートの演目のに入っております。
フォーレ作曲「ラシーヌ讃歌」。イントロを聞くだけで、もう涙腺が緩んでしまうくらい、心がふるえます。
この曲との出会いは二十数年前。大学卒業後、しばらく合唱とは離れていた頃、先輩の結婚祝いの席で歌うことになった時でした。フランス語なんて初めてだし、歌詞もさっぱり分からなかったけれど、ひと目で(ひと耳で?)惹きつけられました。それは一緒に歌った友人達も同じだったようです。俄か仕立てで、決して上手い演奏だったとは言えなかったけれど、その時感じた皆んなの熱や一体感が忘れられず、また歌いたいと思いました。
それがきっかけで合唱団を探し始め、ノイエと出会い、今に至る次第です。
そんな訳で、ラシーヌ讃歌は私にとって大切な一曲。そんな曲を素敵な仲間たちと歌える喜びを噛み締めつつ、演奏を聞きに来てくださった方達のこころをしびれさせる…とまではいかずとも、来て良かったなと思いながら家路についてもらえればと願いながら、練習に臨むのでありました。
by のほ
混声合唱団ノイエ・カンマー・コール
<本日練習した曲>
♪ Ubi Caritas(Maurice Durufle)
♪ O quam amabilis es (Pierre Villette)
♪ 感傷的な唄(新実徳英)
♪ ジョギングの唄(新実徳英)
♪ やさしい魚(新実徳英)
♪ Hotel Pacific (サザンオールスターズ)
♪ 上を向いて歩こう(坂本九)
<会場>
神戸学生青年センター(〒657-0064 兵庫県神戸市灘区山田町3丁目1-1)