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環境の大切さと、制約の生むもの

新型コロナのおかげで4月上旬から在宅勤務をしていますが、まーこれはダメですね。まったく適応できませんでした。

オフィスで勤務しているときは、日中は打合せがみっちり、定時後はそれを受けての資料作成…と社畜ぎみに働き、社内では「いつも遅くまでいてなんか大変そうな人」認定され、家でもよく働くなあ(呆れ)と言われていた私ですが、在宅勤務、これは本当にダメです。人の監視の目がないからダラダラし放題だし、打合せやちょっとした情報交換がしづらくなって仕事は進まないし、そもそも世の中自粛自粛で準備していたイベントなども軒並み先送りになり、目先のToDoがごっそり無くなったし…。

じゃあ仕事がなくなった分プライベートが充実するかというと、そうでもなく。もともとインドア派を自認していましたが、今回よく分かったのは、家で色々楽しむインドア派ではなく活動スイッチ自体がOFFになるインドア派だということ。お役所の言うことを聞いてしっかりステイホームしまくった挙句、徒歩1~2分のスーパーに買い物に行くだけで疲れ果てるほどの体力低下に見舞われ、危機感を覚える事態に。退院したての人や久しぶりに外に出た引きこもりの人の気分を味わいました。

忙しいときには長い休みがほしい!と思い、大学時代に夏休みをもっとうまく使えばよかった…とたびたび思っていましたが、いざ時間を手にしてみるとうまく使えず(外出できないのもありますが)、結局当時と同じように無為に過ごしてばかりの4~5月でした。

こうしてみると、ノイエは合唱を楽しむ場ということもさることながら、私にとっては定期的に外出する・人と喋る・新しいことに取り組むといった機会だったんだなあと感じています。忙しい時期には負担に感じることもありますが、何もなければぐーたらしてばかりの私には、活動的にならざるをえない機会というのは不可欠だなと。

そんな中、近畿3県も緊急事態宣言が解除されるとのニュースが飛び込んできましたね。すぐにまた集まって練習できるかというとまた別問題かもしれませんが、光明が差してきたのは本当に嬉しいことです。

 

さて、音楽についてのお話を少し。

この自粛期間中、私が一番触れたのは「ゲーム音楽」でした。我が家では外出できないGWの暇つぶし用に、元々あったミニファミコンに加えてミニスーファミを購入。暇に飽かせてかなりやりこみました。

ゲーム音楽というと、それ単体で楽しむものでない性格からあまり価値の高い音楽と思われていないようにも思いますが、なかなか奥の深い分野だと思っています。

特に今回ミニファミコンやミニスーファミをやっていて感じたのが、この時代のゲーム音楽の作曲家は大変だっただろうなあということ。なにしろ昔のゲームは今の最新鋭の機器と比べるとスペックがものすごく低いので、制約だらけなのです。まずは曲の短さとループの問題。ゲーム音楽は「繰り返し繰り返し聴く」という特徴があるのですが、昔のゲームは容量が小さいので、収録するBGMも短くせざるをえません。さらに音数の少なさの問題。ゲームをされない方も、昔の携帯が4和音鳴らせるようになったときにすごい!となったのを思い出していただければ分かっていただけるでしょうか。昔とはいってもミニファミコンやミニスーファミに収録されているのは1980~90年代の作品なので、オーケストラやバンドならいくらでも自由に分厚い音楽が書ける時代です。そんな中、ゲームの世界観を反映したプレーヤーの気持ちを盛り上げるいい曲を、いかにそういった技術的な制約をクリアして実現するかが、作曲家の腕の見せ所だったようです。

今の生活も制約だらけですが、その中でもリモートワークツールの便利さとか、そもそもみんな一斉に決まった時間に出社しなくてもいいよねという気づきとか、得られたこともあります。なかなかポジティブになるのも難しい状況ではありますが、もう少し頑張りたいですね。

 

by 餅


混声合唱団ノイエ・カンマー・コール